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Excel VBA プログレスバーをラベルで代用表示させる方法

Excel VBA プログレスバーをラベルで代用表示させる方法

プログレスバーで進捗状況をビジュアルで表示する記事を紹介しています。そこで使ったプログレスバーは「ActiveXコントロール」MSCOMCTL.OCX の「プログレスバーコントロール」でした。

「ActiveXコントロール」を使う方法の場合、MSCOMCTL.OCX が入っていない環境又はOCXのバージョンが違っていたりするとエラーで実行できないケースが存在していました。
また、今回これを変更しようと思ったのは、前回記事「動的にUserFormを作成する」の続編を検討中に、この「プログレスバーコントロール」を動的にうまく設置することができなかったからです。

それなら、以前から少し気になっていた MSCOMCTL.OCX の使用をやめて標準のコントロールで対応しようという結論に至ったわけです。

くるみこ
くるみこ

前置きが少し長くなりましたが、そんなわけで「プログレスバー」を標準コントロールで代用設置する方法を解説したいと思います(^^)

わかりました。よろしくお願いしますm(__)m

その「ActiveXコントロール」版 プログレスバーの記事がこちらです。

【この記事でわかることは】
・標準コントロール「ラベル」と「フレーム」の配置方法
・VBA で プログレスバー のように表示させる方法

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代替版プログレスバーの部品を設置します

「プログレスバー」の動きと同じように表示できればOKということですね。

ユーザーフォームにコントロールを配置します

それでは「プログレスバー」用のユーザーフォームを用意します。

これからプログレスバーを配置するUserForm

・VBE の [挿入]メニューからユーザフォームを挿入します。
 サイズだけ次のように横長に設定しました。
 プロパティーの設定は次のとおり
 ・Height: 138(高さ)
 ・Width : 370(横幅)

プログレスバーとして使用するコントロールは二つ

・メーター部分 = 「ラベルコントロール」
・メーターの枠部分 = 「フレームコントロール」

※枠は無くてもいいんですが、無いとバーの終点も見えないしカッコよくないので(^-^;

イメージとしては、窪んだフレーム内に配置した着色ラベルWidthを進捗に応じ変化させていくようにして表現します。

フレームとラベルをUseFormに配置

【重要】先に「フレーム」を配置してから、その中に「ラベル」を配置します。
設定したプロパティは次のとおりです。

項目 「フレーム」 「ラベル」
Caption 空白空白
Top 180
Left60
Height(バーの幅です)4242
Width(バーの長さです)350350
SpecialEffect fmSpecialEffectSunkenデフォルトのまま
BackColor(青に設定) デフォルトのまま &H8000000D&
枠に「フレームコントロール」を使う理由

枠の部分にもバーと同じ「ラベルコントロール」を重ねて使うことも可能です。

ですが、「フレームコントロール」ならフレーム内に配置したコントロールをグループ化して管理できます。位置調整なども「フレーム」を動かせば内部のコントロールも一緒に移動できるなど、いろいろと都合がいいんです。内部の「ラベル」位置の調整も「フレーム」内での位置で調整できます。

「コマンドボタン」とテキスト表示用の「ラベル」を追加

・「コマンドボタン」= 実行途中でキャンセルできるようにボタンを設置
・「ラベル」 = 進捗状況を数値で表示できるように設置

UserFormにフレームとラベル+キャンセルボタンを配置

サイズなどの設定は省略します。(自由に設定して構いません)

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VBAソースコードを設定します

VBAコードは、UserForm と標準モジュールに分けて設定します。

UserForm に設定するVBAコード

Option Explicit
'キャンセル処理用フラグ
Public IsCancel As Boolean

'ユーザーフォーム起動時の初期化
Private Sub UserForm_Initialize()
    Caption = "ProgressBar Sample"
    'フレームとラベルの位置は同一にする
    With Me.Label1
        .Left = 0
        .Top = 0
        .Width = 0
        .Visible = True 'False
    End With
    'キャンセルフラグにFalseを設定
    IsCancel = False
End Sub

'キャンセルボタンクリックイベント
Private Sub CommandButton1_Click()
    'キャンセルフラグにTrueを設定
    IsCancel = True
End Sub

・3行目は、キャンセル処理用にBoolean型の変数をグローバルで宣言しています。
・6~17行目の UserForm_Initialize イベントです。
 ユーザーフォーム起動時の初期化設定を行っています。
・20~23行目は CommandButton1_Click イベントです。
 「キャンセル」ボタンが押されると、キャンセルフラグが True になります。

標準モジュールに設定するVBAコード

プログレスバーのように動作させるための設定を行います。

Option Explicit
Private Declare Sub Sleep Lib "KERNEL32" (ByVal dwMilliseconds As Long)
'[実行ボタン]押下でプログレスバー開始
Sub Button_Click()
    Dim i As Long
    Dim strMsg As String
    
    With UserForm1
        'マウスカーソルを待機中に固定
        Application.Cursor = xlWait
        'プログレスバーFormをモードレスで表示
        .Show vbModeless
        '進捗表示用ラベルの初期表示
        .Label2.Caption = "進捗状況:  0 / 100 %"
        strMsg = "処理が完了しました!"
        'Bar値のカウンターを初期化
        i = 0
        Do
            '0-100までループさせる設定
            If i = 100 Then Exit Do
            '滞留処理を実行
            DoEvents
            '処理の重さによって待機時間を要調整
            Sleep 50 '50ミリ秒待機に調整  1=1ミリ秒
            'Application.Wait でもOK
            'Application.Wait [Now() + "0:00:00.05"]
            'カウントアップ
            i = i + 1
            'ラベル幅によって調整 350なので3.5倍している
            .Label1.Width = (i * 3.5)
            '進捗状況を%で表示(必要に応じて処理件数表示なども)
            .Label2.Caption = "進捗状況:" & Format(CStr(i), "@@@") & " / 100 %"
            'キャンセルボタンが押された場合の処理
            If .IsCancel = True Then
                strMsg = "処理を中断しました!"
                Exit Do
            End If
        Loop
    End With
    'マウスカーソルをデフォルトに戻す
    Application.Cursor = xlDefault
    'メッセージ表示
    MsgBox strMsg, vbInformation
    'プログレスバーFormを閉じる
    Unload UserForm1
End Sub

コード内のコメントで大体の動作説明をしていますので参照願います。以下補足です。
・2行目で、Win32API で Sleep を使えるように宣言しています。
・24行目で Sleep を使っています。Application.Wait を使う方法もあります。
・メッセージを変数に代入して状況に応じたメッセージを表示するようにしています。
・Do….Loop 内に DoEvents を入れて「キャンセル」ボタンに対応できるようにしています。
・DoEvents を挟むと画面のちらつきが起きるのでマウスを「待機中」表示にしています。
・UserForm を Unload はメッセージを表示した後に実行するようにしています。
(お好みで、先に Unload してからメッセージを表示しても問題ありません)

実際の動作を確認します

ワークシートに「実行ボタン」を設置し、Button_Click を実行できるようにしています。
実際に操作している動画がこちらです。

実行が完了するまでの動作と「キャンセル」ボタンが押されたときの動作です。

ちゃんと「プログレスバー」になっていますね。無事成功しました(^^)/

まとめ(おわりに)

以上、VBA で UserForm と標準コントロールの「ラベル」と「フレーム」を使ってプログレスバーと同じように動作させることができました。

これで使用環境に限定されることなく「プログレスバー」を動作させることができますね。

まとめと感想など

くるみこ
くるみこ

これでプログレスバー用の UserForm を動的に作成・解放するための準備が整いました。次回はいよいよ「プログレスバー」を動的に作成・解放できるように頑張りましょう(^^)

枠にフレームを使うのは、フレーム内に設置したラベルの Top や Leftプロパティがフレームからの位置になるから扱いやすいということがわかりました。

【今回わかったことは】
・標準コントロールの「ラベル」と「フレーム」でプログレスバーと同じ動作を実現できることがわかりました

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【今後の記事について】

今回の記事はいかがだったでしょうか。皆さまのお役に立てたなら幸いです(^^;
「汎用でだれでも使えて活用できるように考えてる」というポリシーで、記事を継続して書いていきたいと思っています。どうぞよろしくお願いしますm(_ _)m

【検討中の今後の記事内容は・・・・】
・実務に役立つものを提供できるよう常に検討しています(^^ゞ
・その他雑記的に「プチネタなど」もいろいろ考えていきたいと思っています・・・・
・今後の記事にご期待ください(^^)/

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