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基本情報技術者試験【FE】合格を目指すには

基本情報技術者試験【FE】合格を目指すには

基本情報技術者試験は、年間10万人以上が受験する人気の国家試験です。
「ITエンジニアの登竜門」と言われており、ITエンジニアとしてキャリアをスタートするには、しっかりとした基礎を身に付けることができる基本情報技術者試験の受験をお勧めします。この試験に合格することで、その後の応用力の幅が格段に広がります。

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基本情報技術者試験とは

基本情報技術者試験(略号: FE)は、経済産業大臣が行う国家試験「情報処理技術者試験」の新たな試験区分として創設され平成28年度春期から試験が開始されました。

基本情報技術者試験は、情報処理技術に関する基本的な知識・技能を有していることを国が認定するための試験です。

情報処理技術者試験の区分

基本情報技術者試験は、下表のとおり「情報処理技術者試験」12の試験区分のひとつです。
分類「情報処理技術者」二つの試験区分のひとつで、レベル付けされている4段階のうちの「レベル2」の試験です。略号はFE(Fundamental Information Technology Engineer Examination)です。

情報処理技術者試験の区分一覧

レベルの定義

レベルの定義が試験要綱Ver.5.0に記載されているので引用しておきます。
「レベルは,人材に必要とされる能力及び果たすべき役割(貢献)の程度によって定義する。」

レベルの定義一覧表

レベル2の定義は「基本知識・スキルを共有し,一定程度の難易度又は要求された作業について,その一部を独力で遂行できる。」ということです。

受験の対象者像

2023年4月の試験から適用される試験要綱Ver.5.0に記載されている「基本情報技術者試験」の対象者像は次のとおりです。

「基本情報技術者試験」対象者像

ITを活用したサービス,製品,システム及びソフトウェアを作る人材に必要な基本的知識・技能をもち,実践的な活用能力を身に付けた者

受験をお勧めするのは次のような方々です

  • ITを活用したサービス,製品,システム及びソフトウェアを作成などに携わる方
    または、これから携わっていこうとする方
  • 情報処理技術に関する基本的な知識・技能を身に付けたい方
    ITパスポート試験合格者でさらなるステップアップを目指している方など

基本情報技術者試験のメリット

基本情報技術者試験に合格するメリット、または合格を目指して勉強することによって得られるメリットには次のようなものがあります。

国家試験なので信頼度が高い

基本情報技術者試験は、国家試験なので認知度や信頼度が高いといえます。
合格すれば、情報処理技術に関する基本的な知識・技能を有していることの証明となるため、人材価値が高まります。

情報処理技術に関する基本的な知識・技能が取得できる

試験要綱Ver.5.0に記載されている「期待する技術水準」に次のような記載があるので引用します。

IT を活用した戦略の立案,システムの企画・要件定義,設計・開発・運用に関し,担当する活動に応じて次の知識・技能が要求される。
 ① IT 全般に関する基本的な事項を理解し,担当する活動に活用できる。
 ② 上位者の指導の下に,IT 戦略に関する予測・分析・評価に参加できる。
 ③ 上位者の指導の下に,システム又はサービスの提案活動に参加できる。
 ④ 上位者の指導の下に,システムの企画・要件定義に参加できる。
 ⑤ 上位者の指導の下に,情報セキュリティの確保を考慮して,システムの設計・開発・運用ができる。
 ⑥ 上位者の指導の下に,ソフトウェアを設計できる。
 ⑦ 上位者の方針を理解し,自らプログラムを作成できる。

引用元:https://www.jitec.ipa.go.jp/1_13download/youkou_ver5_0.pdf

基本情報技術者試験を目指して勉強することで「期待する技術水準」への情報処理技術に関する基本的な知識・技能を取得することができるということです。

就職で有利になる場合も

基本情報技術者試験に臨む知識を持つ人は、社会や企業から必要とされています。

基本情報技術者試験に合格していれば、履歴書などに合格を記載できます。基本情報技術者試験に関する知識の証明は、就職・転職時に自分をアピールする大きな強みとなります。

基本情報技術者試験の内容

2022年3月現在は、基本情報技術者試験は、情報セキュリティマネジメント試験、ITパスポート試験と同じくCBT(Computer Based Testing)方式で実施されています。2023年4月からは試験の実施方式、出題範囲などが変更されますので、その内容について記載していきます。

試験実施方式が2023年4月から変更されます

2023年4月から「通年試験」化が開始されます。
これまでの試験は、年2回(上期・下期の一定期間)実施していましたが、受験者が都合の良い日時を選択して受験することができるように変更されます。したがって、年間の受験可能回数も増えることになり受験者の利便性が高まります。

なお、身体の不自由等によりコンピュータを用いる方式(CBT方式)で受験できない方は、春期(4月)と秋期(10月)の年2回、ペーパー方式によって受験することができます。

出題形式の変更

下図のとおり、すべての問題が小問形式へ変更され従来の午後の選択問題(大問)は無くなります。出題数・解答数の変更などによって、試験時間が従来の300分から190分に短縮されます。

出題形式の変更

なお、科目A及びB試験のサンプル問題セットが下記掲載ページ内のリンクに公開されています。
掲載ページへのリンク
「基本情報技術者試験、情報セキュリティマネジメント試験のサンプル問題セット等」※ 2022年12月26日掲載
また、このリンク先には、FE午前試験免除制度については、科目A試験免除制度として継続する旨の記載があります。免除制度の概要などについても確認できるので参照してみてください。

出題範囲の変更概要

出題範囲の変更概要は次のとおりです。

出題範囲の変更概要

疑似言語による出題に統一」について詳しくはリンク先をご確認ください。
「試験で使用する情報技術に関する用語・プログラム言語など」Ver.5.0

試験実施形式と合否判定について

試験時間・出題形式・出題数・合格基準等は次のとおりです。

項目内容
試験時間科目 A:90分
科目 B:100分
出題数/解答数科目 A:60問/60問
科目 B:20問/20問
   (分野別の出題数は,
    アルゴリズムとプログラミング分野16問,
    情報セキュリティ分野4問とする)
出題形式科目 A:多肢選択式(四肢択一)
科目 B:多肢選択式
評価出題数科目 A:60問のうち56問で評価を行う
   /残りの4問は今後出題する問題を評価するために使用
科目 B:20問のうち19問で評価を行う
   /残りの1問は今後出題する問題を評価するために使用
科目で問う内容科目 A:知識を問う
科目 B:技能を問う
配点科目 A:1,000点満点
科目 B:1,000点満点
合格基準点各科目の評価点が全て基準点以上の場合に合格とする
科目 A:600点以上/1,000点(科目評価の満点)
科目 B:600点以上/1,000点(科目評価の満点)
試験方式CBT(Computer Based Testing)方式
受験者はコンピュータに表示された試験問題に対して、
マウスやキーボードを用いて解答します
採点方式IRT(Item Response Theory:項目応答理論)に基づいて
解答結果から評価点を算出します

基本情報技術者試験の試験内容

情報処理技術者試験の出題範囲は報処理技術に関すること以外にも関連法規や情報処理技術とは関係ないと思われることまで広範囲で出題されます。

基本情報技術者試験の合格を目指すには、試験の出題範囲や出題内容等をしっかり確認しておく必要があります。

基本情報技術者試験のシラバス

シラバス」は、主催団体のIPAがホームページ上に「基本情報技術者試験(レベル2)」シラバス(Ver.8.0)を公開しています。
「シラバス」には、出題範囲の項目ごとに学習の目標や内容、「用語例」や「活用例」が示されています。下図は「基本情報技術者試験シラバス」の「図1 シラバスの構成」を引用して掲載します。

「基本情報技術者試験シラバス」の「図1 シラバスの構成」

ここでは小分類や項目、用語例を除いた部分だけ抜粋して次の項に掲載しておきます。
項目詳細部分については、「基本情報技術者試験(レベル2)」シラバス(Ver.8.0)をご確認ください。

出題範囲

サンプル問題から予想出題数を併記していきます。

科目A試験:【テクノロジ系】(予想出題数:40問強)

大分類 中分類 小分類
1 基礎理論 1 基礎理論 1 離散数学
2 応用数学
3 情報に関する理論
4 通信に関する理論
5 計測・制御に関する理論
同上 2 アルゴリズムと
 プログラミング
1 データ構造
2 アルゴリズム
3 プログラミング
4 プログラム言語
5 その他の言語
2 コンピュータ
 システム
3 コンピュータ
 構成要素
1 プロセッサ
2 メモリ
3 バス
4 入出力デバイス
5 入出力装置
同上 4 システム構成要素 1 システムの構成
2 システムの評価指標
同上 5 ソフトウェア 1 オペレーティングシステム
2 ミドルウェア
3 ファイルシステム
4 開発ツール
5 オープンソースソフトウェア
同上 6 ハードウェア 1 ハードウェア
3 技術要素 7 ヒューマン
インターフェース
1 ヒューマンインターフェース技術
2 インタフェース設計
同上 8 マルチメディア 1 マルチメディア技術
2 マルチメディア応用
同上 9 データベース 1 データベース方式
2 データベース設計
3 データ操作
4 トランザクション処理
5 データベース応用
同上 10 ネットワーク 1 ネットワーク方式
2 データ通信と制御
3 通信プロトコル
4 ネットワーク管理
5 ネットワーク応用
同上 11 セキュリティ 1 情報セキュリティ
2 情報セキュリティ管理
3 情報セキュリティ技術評価
4 情報セキュリティ対策
5 情報セキュリティ実装技術
4 開発技術 12 システム開発技術 1 システム要件定義・
ソフトウェア要件定義
2 設計
3 実装・構築
4 統合・テスト
5 導入・受け入れ支援
6 保守・廃棄
同上 13 ソフトウェア
  開発管理技術
1 開発プロセス・手法
2 知的財産適用管理
3 開発環境管理
4 構成管理・変更管理

科目A試験:【マネジメント系(予想出題数6~7問)

大分類 中分類 小分類
5 プロジェクト
マネジメント
14 プロジェクト
マネジメント
1 プロジェクトマネジメント
2 プロジェクトの統合
3 プロジェクトのステークホルダ
4 プロジェクトのスコープ
5 プロジェクトの資産
6 プロジェクトの時間
7 プロジェクトのコスト
8 プロジェクトのリスク
9 プロジェクトの品質
10 プロジェクトの調達
11 プロジェクトの
コミュニケーション
6 サービス
マネジメント
15 サービス
マネジメント
1 サービスマネジメント
2 サービスマネジメントシステムの
計画及び運用
3 パフォーマンス評価及び改善
4 サービスの運用
5 ファシリティマネジメント
同上 16 システム監査 1 システム監査
2 内部統制

科目A試験:ストラテジ系(予想出題数:10~12問)

大分類 中分類 小分類
7 システム戦略 17 システム戦略 1 情報システム戦略
2 業務プロセス
3 ソリューションビジネス
4 システム活用促進・評価
同上 18 システム企画 1 システム化計画
2 要件定義
3 調達計画・実施
8 経営戦略 19 経営戦略
マネジメント
1 経営戦略手法
2 マーケティング
3 ビジネス戦略と目標・評価
4 経営管理システム
同上 20 技術戦略
マネジメント
1 技術開発戦略の立案
2 技術開発戦計画
同上 21 ビジネス
インダストリ
1 ビジネスシステム
2 エンジニアリングシステム
3 e’ビジネス
4 民生機器
5 産業機器
9 企業と法務 22 企業活動 1 経営・組織論
2 OR・IE
3 会計・財務
同上 23 法務 1 知的財産権
2 セキュリティ関連法規
3 労働関連・取引関連法規
4 その他の法律・
ガイドライン・技術者倫理
5 標準化関連

科目A試験については、テクノロジ系の学習を重点的に進めるのが良いでしょう。
学習マネジメント系・ストラテジ系の問題は、ITパスポート試験で勉強した内容がしっかり頭に入っていれば、そのまま役に立つと思います。

【科目B試験の出題範囲】(全20問)

科目B試験のサンプル問題を見ると、20問のうち16問がプログラミング・データ構造及びアルゴリズムから出題されています。残りの4問がセキュリティ関連の出題となっています。

項目 内容
1 プログラミング
全般に関すること
実装するプログラムの要求仕様(入出力,処理,データ構
造,アルゴリズムほか)の把握,使用するプログラム言語
の仕様に基づくプログラムの実装,既存のプログラムの解
読及び変更,処理の流れや変数の変化の想定,プログラム
のテスト,処理の誤りの特定(デバッグ)及び修正方法の
検討 など
2 プログラムの
処理の基本要素に
関すること
型,変数,配列,代入,算術演算,比較演算,論理演算,
選択処理,繰返し処理,手続・関数の呼出し など
3 データ構造及び
アルゴリズムに
関すること
再帰,スタック,キュー,木構造,グラフ,連結リスト,
整列,文字列処理 など
4 プログラミング
の諸分野への適用
に関すること
数理・データサイエンス・AI などの分野を題材とした
プログラム など
5 情報セキュリテ
ィの確保に関する
こと
情報セキュリティ要求事項の提示(物理的及び環境的セキ
ュリティ,技術的及び運用のセキュリティ),マルウェア
からの保護,バックアップ,ログ取得及び監視,情報の転送
における情報セキュリティの維持,脆弱性管理,利用者アク
セスの管理,運用状況の点検 など

項目詳細部分については、IPAがホームページから「シラバス」を確認してください。

試験合格を目指すには

合格を目指すには、しっかりと試験対策をする必要があります。対策方法は大きく分けて「独学」か「通信講座」などになるでしょう。どのように勉強していくのか計画を立てましょう。
先ずは、過去問題などで自分がどの程度の実力なのかを確認して判断するのが良いと思います。

過去問題・解答例・採点講評

IPAホームページから「過去問題」と「解答例」をPDF形式でダウンロードできます。
「情報公開」メニューの「過去問題」にアクセスすればダウンロードできます。

ただし、残念ながら令和2年度以降の基本情報技術者試験及び情報セキュリティマネジメント試験の問題は非公開のため、問題、解答例等は掲載されていません。

過去問題を確認することで、試験内容がどんなものなのかが確認できます。確認することで、合格に向けて何を勉強していけばいいのかを把握することができます。

科目A及びB試験のサンプル問題セットも活用しましょう。
科目A及びB試験のサンプル問題セット掲載ページのリンク
「基本情報技術者試験、情報セキュリティマネジメント試験のサンプル問題セット等」

おすすめの参考書・問題集

2023年4月から始まる新しい「基本情報技術者試験(レベル2)」シラバス(Ver.8.0)に対応した最新のものを選んだ方が良いでしょう!

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この他にもたくさんの参考書・問題集がありますので、リンク先の「Amazon基本情報技術者 本」などで自分に合うものを探してみてください。

勉強におすすめのWebサイト

このサイトのモットーは「経験から感じた攻略方法を解説」「初心者にもわかりやすく」「目指すは情報セキュリティマネジメント試験No.1サイト」としているとおり、情報満載の素晴らしいサイトです。しかも、すべて無料で提供されています。是非アクセスしてみることをお勧めします。

基本情報技術者試験の通信講座

合格したい期日までに時間の無い方や、独学が苦手な方は「通信講座」などで勉強する方法もあります。ネットで「基本情報技術者試験 講座」などで検索すれば必ずヒットすると思います。

講座を選ぶ際は次のような項目を比較ポイントとして判断しましょう。
・料金の比較(金額だけを見るのではなく内容の充実度も考慮して比較しましょう)
・講義の比較(講義の受講スタイルや自分に合うスケジュールや融通性など)
・教材の比較(シラバスに沿ったものか、わかりやすさ、復習などがやりやすいか)
・サポート体制や信頼性など(口コミや評価なども参考にしながら判断しましょう)

候補はたくさんありますが、参考までにいくつか紹介します。

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※画像は「資格の大原」公式サイトから引用
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※ 記事掲載時点では、まだ「2023年度の講座」が開設・公開されていませんでしたのでリンクは2022年度のものになっています。

まとめ(おわりに)

以上、「基本情報技術者試験」について紹介する記事を書いてみました。

基本情報技術者試験は、ビジネスのすべての業界で活躍するために役立ちます。就職で有利になる場合もありますし、キャリアアップやさらに上位の資格を目指す際にも、情報セキュリティマネジメント試験で得られた知識は大いに役立つでしょう。

「基本情報技術者試験」がどういうものなのかがよくわかりました。
ITパスポート試験に比べ、プログラミングなどのスキルが求められる点でハードルが高いですね。でも、実務経験が無くても受験できるからしっかり勉強して合格を目指します。

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この記事で使用したサンプルの登録はありません。
過去の記事で使用したサンプルファイルをダウンロードできるようにページを設置していますので、こちら(このリンク先)からご利用ください